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とん挫した「マイナンバーカード」によるワクチン接種管理

 

 

 自治体が行う新型コロナウイルスワクチンの予約の電話が、つながらないそうです。予約を焦るあまり家族総出で電話をかけまくるのだから想定外の通話量なのだろう。

 また、大規模接種センターの予約システムと、各自治体のシステムが連動していないので、二重接種には注意しないといけないらしい。

 システムによる管理は、どうなっているのか? なぜ「マイナンバーカード」を使わないんだ? 

 

1.五輪前に日本への「渡航中止の勧告」

 ワクチン接種率の高い国は人や街の規制が徐々に解除されることで、景気が急回復している。それを横目で見ながら、我が国の様にお怒りの方も多い。

 おまけに、アメリカ国務省は日本に関する渡航情報を4段階で最も厳しい「渡航中止の勧告」に引き上げた。日本の感染状況を最も厳しいレベルと判断したと言うが、感染者が、当のアメリカの10分の1で、感染者が「さざ波」くらい少ないのに。

 要するにワクチン接種が遅れていることが原因だろう。いずれにせよ、ワクチン接種を加速する上でしっかりとしたシステムが必要なことは間違いない。

 

2.「マイナンバー使わないのは不作為だ」とデジタル改革相

 平井卓也デジタル改革相は1月19日の記者会見で、新型コロナウイルスのワクチン接種の管理にマイナンバーを活用すべきだと主張した。「国民唯一のIDであるマイナンバーとひも付けると間違いが起きない」と話した。特に副作用の管理が重要と述べ「誰にいつ何をうったかを確実に管理するのはマイナンバーしかない」と強調した。

平井氏の発言を受け、河野太郎ワクチン担当相も「自治体をまたいで引っ越しした人や居住地以外で接種した人を把握するためにマイナンバーでの連携を検討している」と発信しました。

 

3.各自治体の猛反発を食う

ところが、各地方自治体から、システムが未整備でとてもマイナンバーを使える状況ではないという猛反発を受けて、マイナンバーでの管理が頓挫してしまった。

 マイナンバーとひもづけることができる事務は、法律で「税・社会保障・災害」の3分野に限定されていて、予防接種は社会保障にあたります。従来、市区町村は住民の「予防接種台帳」で、医療機関から子どもや高齢者の予防接種情報を受け、自治体が台帳で管理しています。マイナンバーが割り当てられた際に、予防接種台帳とひもづけしていればよかったのに、今まで何しとったん?

税の世界では、給与所得者の年末調整、確定申告、相続税等の申告には、必ずマイナンバーを入れるようになっている。

このような状況こそマイナンバーの威力が発揮でき、また、カード保有者にワクチン接種を優先させたら、アッと言う間にカード普及できるのにと残念に思います。