皆さんが決算や確定申告の際に意識せずに使っている税制に繰越欠損金というものがあります。これは過年度に発生した欠損金(赤字)を翌年以降に発生した利益と相殺して法人税や所得税の計算を行うという制度です。簡単な例としては、前年に100万円の赤字を出したとして、その翌年に150万円の利益を出したとすると、税金の計算上の利益は150万円―100万円の50万円に税率をかけて算出する形になります。 こちらの制度を利用するには、法人、個人ともに青色申告の届出を出す必要があり、法人は事業年度開始の前日まで、新規設立の場合は設立日から3か月以内までに提出する必要があります。個人の場合は申告を開始する年の3月15日まで、もしくは新たに事業を開始する場合は開始日から2か月以内に提出する必要があります。 また、繰越欠損金の持ち越し可能期間もあり、法人は10年、個人は3年となっており、ずっと持ち越すことはできないことにご注意ください。