◆◆金融機関の融資の審査ポイント◆◆
コロナ渦の中、令和4年6月以降、資金繰りに苦労している企業が多く見受けられます。また倒産・廃業企業も新聞・民間信用調査機関で掲載されることが多くなっています。特に廃業はコロナ渦で急激に起きています。
事業経営は、「資金繰りに始まり、資金繰りに終わる」と言われていますが金融機関は中小企業・零細企業のどのようなところを見ているのか融資審査のポイントを紹介します。
①人について
信頼性:正直かどうか、信義則は重要な要素。
謙虚さ:他人の意見を聴く姿勢はあるか。
計数能力:決算の内容等自分の言葉で説明できるか。
②モノについて
製品力・技術力・サ-ビス・販路・決算書に現れない強みが存在基盤。
③カネについて
売上高・企業のサイズ・主な取引先・利益・資金・
「利益+減価償却費」のキャッシュフロ-が返済財源として重要。
赤字の場合:理由と今後の方針を社長の言葉で説明が必要。
④自己資本・個人資産・借入金の内訳明細、債務超過の場合なぜ存続できたのか。
借入金の総額が過大ではないか。メインバンクはどこか。
⑤同族役員の貸付金は将来的に解消見通しがあるか。
また、売掛金・棚卸資産・買掛金の回転率が著しく増減している場合は要注意。
⑥改善計画
現状分析が出来ているか。経営課題は何か。収支改善計画について社長が説明できるか。
⑦最近の倒産と廃業
倒産とは「広辞苑」によれば財産を使いつくすこと。特に企業が不渡り手形などを出し、銀行取引停止処分を
受け事業を継続できなくなること。倒産は事業が続けられない状態に陥って入る場合を言う。
廃業とは経営者自身が事業を終わらせることを決定した場合をいい廃業を検討する状況は、後継者が決まらな
い、扱っている商品やサ-ビスに将来性がない、などがある。このほかにも、様々な理由で廃業となるケ-ス
はあるが、特に後継者不足は深刻であり、又コロナ渦で将来が不安であり、黒字企業の間に廃業するケ-スも
増加しています。
少子高齢化の影響もあり、今後益々廃業するケ-スが増えていくと思っています。
(税理士 阿部盛一郎)
□□住宅ローン改正と住宅を改修した場合の特別控除□□
今月は住宅を改装した取引先より、住宅の増改築等で住宅ローンが使えるかどうかの質問があり、令和4年度の税制改正で、だいぶ改正点がありましたので、今回再確認をしてみました。
〇主な住宅ローン控除の改正点(令和7年12月まで)
①控除率 一律0.7%に引き下げ
②床面積要件 50㎡(新築の場合5年まで40㎡)
③所得要件 合計所得 2,000万円以下
④控除期間 新築住宅原則13年(既存住宅10年)
⑤借入限度額 入居年や住宅の環境性能に応じて
2千万から5千万円
⑥既存住宅の築年数要件が、昭和57年以降に建築
された住宅【新耐震基準適合住宅】に緩和
※今までの既存住宅の築年数要件は、耐火住宅25年以内、非耐火住宅20年以内の物件が、昭和57年の40年前の住宅でも、条件が合えば、住宅ローン利用が可能になったので、これは本当に大きな改正点だと思えます。
⑦特定の増改築にかかわる住宅ローン控除の特例で、令和4年から控除期間が5年から10年に伸びています。
〇中古住宅の改修工事での所得税の特別控除
この制度は自己資金等で住宅の改装をした場合、要件に該当すれば、所得税の特別控除が利用できるので注
意していただければと思います。
工事費50万円超のバリアフリー改修工事、省エネ改修工事、多世帯同居改修工事、耐震改修工事を行った場
合、合計所得制限が3千万以下の場合、その改修工事の額と上限限度額 200万から350万円の少ない金額の
10%が控除可能です。
また、要件として、住宅ローン控除との選択になりますが、耐震改修工事は住宅ローンと重複して適用も
できるなど、細かい点も多いので、今年改修行った方は、特別控除が可能かどうか、担当者にご確認くださ
い。
(大分事務所 片岡)
〇〇今までの常識を疑う〇〇
少し前の本になるのですが、「ドーナツの穴だけを残して食べる方法」という本を読んでいます。こんなことは不可能だ。馬鹿げているという反応をするのではないでしょうか。
本書は、大阪大学の教授たちが本気で取り組んだ問題を書籍にしたものです。工学、美学、数学、歴史学、人類学など。学問の立場から本気で取り組んだら、どんな世界が見えるか。コロナ、自然災害等不確実性の高い昨今において、常識にとらわれない発想や思考のエッセンスとして読んでみてはいかがでしょうか。
(別府事務所 藤内)
投稿者:広報委員
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