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「満足度」を高めるより「不満足度」をなくそう

 

 

1.商売は「不(負)」の解消業である

 30年前、豊の国商人塾の初代塾頭である故緒方知行先生から、繰り返し、繰り返し叩き込まれたのが、

「商業は人間業(ヒューマンビジネス)であり、“不”の解消業である」

です。

不とは暮らしの豊かさを阻害する要因で、例えば不満、不満足、不便、不快、不足、不愉快、不備、不親切、不具合、不信、不行き届き、不明、不安、などであります。

 お客にとっては、売り手の都合、例えば、仕入値が上がった、スタッフが辞めた、システムが止まった等は、何の関係もありません。お客が求めるのは、自分にとっての満足であり、価値であり、お値打ちかどうかであり、お客にとって「不」を持つ商売を支持するはずはないのです。

 

2.オセロゲームのように白にひっくり返る 

逆に言えば、「お客の立場」に立ち、「不」の状況を見つけ、これらの「不」を一つ一つ解消していけば、すべて「価値」に変わります。不満は満足に、不便は便利に、不快は快適に、不行き届きは行き届く気遣いに、不親切は親切に、不信は信頼に、不安は安心に・・・・とオセロゲームのように、お客にとってのお店や会社の価値が、黒から白にひっくり返り、お客は会社を支持してくれるようになります。

 

3.自己客観(客の心を心とせよ)

「お客の立場」に立って、初めて「不」の状況が見つけられます。しかし、「お客のために」と「お客の立場」とは、大きな隔たりがあります。よく「せっかくしてあげたのに…礼の一つもない」とかいうのが、「お客のために」です。何か、上から目線で、お客様との距離感があります。これに対して相手の心境をおもんばかり「こんな事されたら、ありがた迷惑にならないか」というのが「お客の立場」だと思います。

そのためには、人の痛みを我が痛みと感じられる、鋭い感受性、共感性を受け入れる豊かな人間の心が必要なので、緒方先生は「商業は人間業(ヒューマンビジネス)」と言われたのです。