足がかり? 手がかり?
山口県阿武町から誤って入金された4630万円を、海外のネットカジノで使ってしまった容疑者が逮捕されました。容疑者がどういう考えだったのか、町の対応は適切だったのか、また仕組みとして、起こるべきして起きたことなのか、偶発事故だったのかなど考えさせられる事件です。
容疑者の逮捕を受けて、阿武町の花田憲彦町長は「真実を知ることに近づいた。お金を取り戻す足がかりになる」とコメントを発表しました。それを聞いて「足がかり」?いや「手がかり」の間違いじゃないの?と思いつつ、自分の語彙力に自信がないので調べてみました。
1. 足かがり(足掛かり)
「足がかり」とは、足を掛ける所、足場を指します。
その語源から「物事を始めるときに大きな助けとなるもの」「何かを開始するための土台(糸口)となるもの」「何か物事をはじめる際のきっかけとなるもの」を意味があります。
2.手がかり(手掛かり)
「手がかり」とは、手を掛ける所、よじ登る時にとりつく所を指します。
その語源から「次に起こす行動のための具体的なよりどころとなるもの」「何らかの事態・問題を解決するための助け」という意味があります。
3.どのように使い分けるのか
では、どのように使い分けたらいいのでしょうか?
① 目標到達を目的とする場合は「足がかり」
たとえば、「首都圏進出の足掛かり」のように、目標への到達のためどこかを拠点とする、物事のよりどころとするという「目標到達を目的」とする場合に使われるのが「足がかり」です。
② 問題解決を目的とする場合は「手がかり」
それに対して、「事件解決の手掛かり」のように、何らかの問題を解決するための助け・きっかけという「問題解決を目的」とする場合に用いられるのが「手がかり」です。
4.KURAMAE`S EYE
事件や問題が起きたとき、具体的に解決するための証拠を集めることを「手がかり」といい、その集めた証拠を参考にして、事態が今より望ましい方向を目指すときに使うのが「足がかり」でしょう。
はたして町長の発言は正しい表現だったのか?「手がかり」と言うべきだったのか?事態の好転を祈っての発言ならば「足がかり」で正解だったのか?
事件同様に、もやもやして過ごしています。日本語は難しい。
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