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日本人の交渉下手の理由

 

トランプ大統領が仕掛けるディール(取引)によって、日本は翻弄されています。昔から日本人は交渉下手と言われますがその理由は何でしょう。

 

1. 性善説による譲り合いの精神

 島国国家で、他国からの侵略が少なく、おのずから権謀術数を使う必要がなかった「和をもって貴しと為す」(聖徳太子)の民族です。

 

2. 農耕民族由来の自己主張をしない

また、米作を主とする農耕作業では共同作業が欠かせず、「村八分」とならないように、自己主張は和を乱す考えが定着しているのでしょう。

 

3.日本語と英語は語順が異なる

日本語と英語とでは、文章のなかで単語が並ぶ順番が異なります。

 

①日本語は、[主語]+[目的語]+[動詞]の語順で文章が構成されますが、

 

②英語は、 [主語]+[動詞]+[目的語]の語順となります。

 

例えば、日本語では「私は、スイカを食べる」のように、動詞があとのほうに置かれ最後まで聞かなければ、意味がわかりません。英語では「私は、食べた、スイカを」のように動詞が最初に来きて、序盤に重要な情報が入ります。したがって、日本人は、相手の話を途中で遮ったりせず、最後まで聞くのに対し、欧米人は、結論ありきで、その後に状況を説明します。言葉を使いながら永年物事を考えてきたので、おのずから思考方法も異なってきます。

 明治時代の哲学者西田幾多郎は、そのことに気が付き、主語と述語の関係を「場所」という概念で捉え直しました。