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これからの変化は日本にとって有利

 

 

ウクライナ、イスラエル・イラン戦争など目まぐるしく世界情勢が変わる背景は何でしょうか?

 

1.新自由主義(グローバリズム)の終わり

政府の意思決定や役割を小さくし、市場原理、民間企業や各個人の意思、判断、選択を重要視し、性別、人種、国籍が異なる個人が、平等で民主的な世界を目指す価値観です。この恩恵を享受したのは中国で、グローバル化によって世界の工場の地位を確立し、技術移転によって急速な成長を遂げています。

 

2.覇権国家アメリカの目的は中国を封じ込める

新自由主義が世界を席巻したスピードが速すぎて取り残された者による逆襲が始まり、ナショナリズム、保護(孤立)主義を掲げるトランプ政権の誕生、ヨーロッパ各国での極右政党が台頭しました。新自由主義というシステムによって利益を得ている人たちは敵となり、最も恩恵を受けた国である中国が標的となっています。

 

3.かつて、日本も標的にされ「負ける席」に

 覇権国家は、ナンバー2の国がその座を脅かす存在になれば叩きます。戦後、冷戦がはじまるとアメリカは日本を東アジアの戦略的パートナーに決め、奇跡的な経済成長を成し遂げました。しかし冷戦の終結とソ連の崩壊とともに、アメリカの日本叩きが始まり「失われた30年」となりました。

 

4.日本は次の30年「勝てる席」に座れるか?

 アメリカは、中国を封じ込めるためアジアの強いパートナーとして「日本」が必要となります。

 

齋藤ジン「世界秩序が変わるとき」文春新書より