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今を変えるのではなく未来に種を蒔く

 

今年のセリーグを断トツで制した阪神タイガースをみて故 野村克也監督に思いを馳せます。

 

1.唯一無二の知将

 

  野村監督は、90年ヤクルトの監督に就任し3度の日本一。99年から阪神、2002年から社会人野球のシダック

 ス。2006年から4年間東北楽天の監督を務めました。個々の選手に「言葉の力」で、考えを変え、行動を変

 え、個々の能力を伸ばし、ミーテイングにより組織を強固にしていきました。そんな知将が、阪神タイガース

 で完全なる失敗を経験します。

 

2. 阪神タイガースでの地獄の3年連続最下位

 

  全力で組織を変えようとしますが、選手はまったく話を聞く姿勢がなく、コーチは協力せず、ミーテイング

 の開催も反発されました。「正論だけでは人は動かない、どれだけ正しくても、組織の記憶と感情には勝てな

 い。阪神には1985年に優勝した成功体験が絶対的な正解として信じられていた。人は、自分の信じているもの

 を否定されると、強く反発する」それを理解しなければどんな改革も失敗すると痛感し、失意のまま監督を退

 任しました。

 

3.「組織を変えようとするな。自分が変われ。そして、種を蒔け」で成功した楽天

 

  その後、楽天では、失敗した阪神での教訓から、組織を無理に変えるのではなく育てる方針に切替え、ミー

 テイングでの参加を選択性にして、自分で変わりたいものだけを参加させ、徐々に参加者が増え強い組織にし

 ていきました。